「人に会う旅」
〜フィリピン・ピナトゥボ地域との交流〜
図書館「ともだち」建設
2001年4月、
フィリピン・パンパンガ州フロリダブランカ市のグタ小学校の片隅に、真っ白い小さな図書館が開館しました。
それは、フロリダブランカ市で最初の学校図書館。
名前は「IWAKURA LIBRARY『TOMODACHI』」。
私たちのピナトゥボ地域への派遣事業「人に会う旅」が10回目を迎えたのを記念し、
これまで過去10回の訪問団、約200人の訪問団員を温かく歓迎し、
ホームステイさせてくれたフロリダブランカ市に図書館を建設したいという念願が叶いました。
←改築前の壊れたままの校舎を図書館に |
私たちが毎回訪問し、ソフトボールやサッカーの交流試合を行うグタ小学校の敷地の一角に、
1991年のピナトゥボ火山の噴火で屋根や窓枠が吹き飛び、荒れ果ててしまったままの小さな建物がありました。
「この建物をフロリダブランカと岩倉の交流の拠点にできないか」「今までの恩返しに何かしたい」。
教科書も足りず、本を読むという習慣も機会もほとんどないこの地の子どもたちに、
本を通じて世界のことをもっと知ってほしい、本を読みたいと思うような子どもになってほしい、
そんな願いが現地の人たちの思いと一致しました。
改築費用は、「いわくら市民ふれ愛まつり2000」でのジュニアスタッフを中心とした募金活動から始まりました。
その後も市内外の多くの方々や「人に会う旅」参加者や団体からの温かい協力により、私たちの願いは実現したのです。
寄付総額は1,044,318円と380ペソ。
建設工事費は840,548円。
残ったお金は蔵書の充実や今後の図書館運営に役立てます。
「ともだち」の開館
人に会う旅PartXの24人の団員が現地を訪問中の4月28日の土曜日、
灼熱の太陽が照りつける中で地元の関係者も参加し、
フィリピンと日本双方のやり方でテープカットが行われ、
ドアの鍵を直接の管理をしていただけるグタ小学校のビレナ校長に手渡しました。
この日は、夏休み中であった子どもたちも学校に集って来て、
遠巻きに図書館の中をのぞいたり、うれしそうに見守っていました。
建物の南側の壁には大きな岩倉市の市章が描かれ、
建物の脇のボードには岩倉の風物詩こいのぼりや名古屋コーチンの絵。
部屋の中には、
私たち協会の会長である石黒市長の手書きによる「いわくらとしょかん『ともだち』」の看板が飾られ、
寄贈していただいた岩倉市の市旗も立てられています。
図書館の外には、
一行が持参した大きなこいのぼりが長い青竹の先に本格的に掲げられ、
青空をバックにのどかに泳ぎ、その様子は日本の田舎の風景と何ら変わりない眺めでした。
図書館は完成し贈呈できました。
しかし、図書館の建設で終わるのではなく、
今後はこの図書館が、現地の子どもたちが集い、本を囲んで語ったり、いろいろな夢を描ける場になっていくよう、
遠くから応援していきたいものです。